自分ができることや余っているものを、それを必要としている人に見返りを求めずに手渡すと、受け取った人は、その経験に感動して、いつか誰かに恩返しをしようと思うようになります。
四国遍路のお接待を受け続けた人たちは、地元に戻って「生涯お接待をしていきます」と言います。こうして、世の中に優しさが循環していくのかもしれません。何かを「分かちあう」のではなく、自分が貢献できることを見つけ、その場を「満たしあう」ような生き方を目指してみませんか?
ギフトで提供(シェア)するものは、労力や知識など「減らないもの」か、食べきれずに「腐るもの」がいいでしょう。つまり「自分からあふれているもの」で、余裕のあるものです。それにはまず、自分がきちんと満たされていることが大事です。そこからあふれるものは、ベースに「愛」があるはず。そこがギブ・アンド・テイク(give & take)の交換関係と大きく異なる部分です。
与え続けることで、優しさの波紋を起こす
ペイ・フォワード=恩送りの仕組みで運営される「カルマキッチン」のニップン・メッタさんは言います。
1)「消費者」から「貢献者」へ
自分は何を持っているのか、何を奉仕できるのか、そう考えることが第一歩です。与え続けると、全体が支え合っていることに気づきます。ギフトの輪は1対1の与え合いではなく、大勢と大勢の与え合い。大切なのは、優しさの波紋を起こすこと。
2)「交換」から「信頼」へ
貢献者になると「交換」から「信頼」へのシフトが起きます。「交換」は私とあなたの1対1の関係で成り立っているので、与えたものに対して見返りを求めます。与え続けることで、いつか自分に戻ってくるという大きな信頼を得られるのです。
3)「孤立」から「コミュニティ」へ
「信頼」は、何らかの形で、めぐりめぐって自分のもとへ返ってくること。何が返ってくるかより、自分から始まって次の人、また次の人……という循環の中で生まれる可能性が大切なのです。そうすると「孤立」から「コミュニティ」へ意識がシフトします。
4)「欠乏」から「豊かさ」へ
「奪い合えば足りないけど、分け合えば余る」と言われます。そうすると「足りない、もっと欲しい」という不安がなくなり、たくさん与えられている「豊かさ」に気づきます。私たちの意識が「奪う」ことから「与える」ことにスイッチした瞬間に、驚くほど簡単に世界は変わるのかもしれません。
私は「リーダーシップからラダーシップへ」とよく言っています。リーダーではなく、ラダー(=ハシゴ)になる。肩車をして高いところにあるものを見せてあげるような、そういう人間になることが大事だと思っています(ニップン・メッタさん)
「あなたのお食事は、前に来たお客様によって支払われています」”恩送り”を体験できる優しいレストラン「カルマキッチン」 | greenz.jp | ほしい未来は、つくろう。
「ギフト経済」の次にある、「ギフトエコロジー」の世界
お金というツールを使ってのモノの“交換”ではなく、見返りを求めない“ギフト”に置き換えて(ギフトエコノミー)、さらに与え合うことを生態系にまで広めよう(ギフトエコロジー)と、共生革命家のソーヤー海さんは言います。
酸素、水、食料…。僕らが生きるために本当に欠かせないものは、すべて地球がつくっていて、フリーなんだよね。それを誰かが商品化して、販売している。
つまり、資本主義や貨幣経済といったものは、与え合いの生態系の上にちょこんとある、つい最近になって人間がつくったシステムにしか過ぎないと思っていて。本当は、与え合いの循環の中に生きているんです。
ギフトエコロジーは、そもそも与え合いの生態系の中に生きているという意識を取り戻す、意識の変革だと思うんだよね(ソーヤー海さん)
稼ぐことから自分を解放しよう! ソーヤー海さんに聞く、“ギフト経済”の次にある、“ギフトエコロジー”の世界 | greenz.jp | ほしい未来は、つくろう。
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