アメリカでも貧困率のひときわ高いフィラデルフィアの街で、あるピザショップが「ペイ・フォワード」を始めたことが話題になっている。更にそれが、お店の利益や社会貢献にも繋がっているのだという。
そもそも、ペイフォワードとは?
自分が受けた親切を、受けた相手ではなく別の人物に対して、新しい親切でつないでいくこと。良いことをされたとき、その人にお返しするのではなく、他の人にすれば、親切の連鎖がつながっていく。
1ドルのピザを、必要としている人々へ
ピザショップ「Rosa’s Fresh Pizza」に訪れた利用客は、メニューにある1ドルのスライスピザを、誰かのために事前に購入することができる。ピザの代わりに渡されるのは1枚のポストイット。そこにメッセージを書いて、壁に貼る。そして、そのポストイットをとった人は、誰でも無料でスライス・ピザを購入することができる。
オーナーのメイソン・ワートマンさんはこう語る。
「ある日、お客さんがピザを事前購入したいと言ってきたんだ。誰か必要としている人のためにって。それで1ドル受け取ったんだけど、その時にレジの後ろにポストイットをピザチケットとして貼っておいたんだ。何日かして、65セントしか持っていないお客さんが来店したときに、お金をいいからといって、そのポストイットを渡してピザを売ったのが始まりだ。今ではもう、1万枚くらい売ったんじゃないかな。こんれにシンプルで素晴らしいことはないよ」
ポストイットに書かれた
ポジティブなメッセージ
今や店内中に貼付けられたポストイットには一つひとつ購入した人からの手書きのメッセージが書いてある。どれも心温まる内容のコメントばかりだ。
社会貢献にも?
お店にとってはマイナスなこともなく、今では売り上げの全体を10%ほどアップさせる大切な要因にもなっているようだ。さらに驚くことに、ホームレスだったはずの利用客が、突然姿を消したかと思うと、仕事を見つけて帰ってきて「ペイ・フォワードのピザを買いたかったんだ」と語ったなんてエピソードもあるそう。さらには、食に困って犯罪に手を染める人々を抑制させる効果も出ているという。これはオーナーにとっても、想定の範囲外だったようだ。
「まさか、犯罪を止めることまでできるなんてね。考えもしなったよ」
誰かのために買う1ドルのピザが、困っている人々を心身ともに救う。ペイ・フォワード方式のピザショップ、あなたはどう思った?
(TABI LABOから転載しましたが、現在、元記事は削除されています)